2020年7月

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こんにちは!

突然ですが、皆さんは、母牛の気持ちって考えたことありますか?

私は、夫の農業者仲間の長野県の牧場に行ったとき、母牛に強く共感した思い出があります。夏の暑い日でした。牧場の牛から搾乳した牛乳から作られた濃厚なソフトクリームを戴いた後、少し離れた牧場に遊びに行きました。

広い牧場の草っぱらに横になり日向ぼっこをしながら休んでいる乳牛が、私には、牛乳を搾乳するための乳牛では無く、一頭の母親に見えました。「もぉ~。もぉおお~。」とピクリとも動かずに、気だるそうに鳴くその牛が、授乳期間中の疲れて動けなくなっていた自分と重なりました。

人間の母親でも母牛も同じだと思いますが、傍から見れば(授乳したことの無い子どもや女性、男性等)、赤ちゃんのいる母親は、ごく自然に特段苦労もなくおっぱいをやっている、むしろのんびりと幸せいっぱいの姿である様に見えるのだと思うのですが、その裏で、母親の体中は、おっぱいを生成し分泌する為に総動員で働いていて、そのこと自体が体力を使い何とも言えない強い疲れがあるという事実があります。それは傍からは、見えにくく、その為読み取りにくいものです。

私は娘に牛を見せてやることを忘れて、母牛の鳴き声に合わせて、「もぉ~。もぉおお~。」と何度も鳴きました。そして、考えました。餌をたっぷり与えられ、ぐるぐる回る機械に入れられ、定期的に運動をさせられて、体力をめいっぱいに使って、後はただひたすらに、次々におっぱいを生成し、それをひたすら機械で搾乳されて、人間様の元に運ばれていくその毎日が、母牛にとってどんなものなのかと。

私がおっぱいを生成したら、それは漏れなく娘に与えることができます。母牛は、そして母牛の体は、自分の孔子のことを思いおっぱいを生成分泌しているはずですが、実際にその子の為に、少しでもおっぱいをやることができるのでしょうか。

人間は、自然界の動物と同じです。自然界から動植物の命を戴き生きています。ですので、家畜を育て、牛乳を飲んだりお肉を食べたりすることはいけないことだとは全く思いません。むしろ、人間に命がある以上、自然界の中から少しずつ色々な食べ物を分けてもらいながら生きていくしかありません。でも、牛のおっぱいである牛乳を、人間が戴いているそのことは当たり前なのでしょうか、そしてその量は適量なのでしょうか。日本では、保育園、幼稚園、学校の給食、各家庭等で、幼児期から習慣的に牛乳を飲んでいます。でも、そんなに大量に牛乳を摂取する必要はあるのでしょうか。そして、その大量生産の為にシステム化された搾乳を強いられる中で、母牛の健康な状態は保てているのでしょうか。

決して乳牛を育てる仲間の業界や業態を邪魔したいのではありません。牛乳を作ることや売ることは決して悪いことではありません。牛の例はほんの一例で、一つ一つの私たちの食の在り方が、本当に必要なのか、どれだけ必要なのか、どのようなものがよいのか考え直されるべきであると考えるのです。

牛乳は、牛のお乳です。人間には人間のおっぱいがあります。離乳しても、水やお茶、美味しい飲料や水分を摂取できる食材や食事が他にも沢山あります。カルシウムの摂取も、牛乳一辺倒では無く、他の食材からバランスよく摂ればよいのです。牛乳さえ与えておけば栄養面は安心とばかりに牛乳を摂取し過ぎていないでしょうか。牛に負担をかけすぎていないのでしょうか。たまに飲む、では不十分なのでしょうか。

そのような偏った食事によって、動植物への負担が掛かることや、生産や育成工程が不健全になることが往々にしてあるということを、どれくらいの人が考えて普段の食生活を営んでいるのでしょうか。

牛だけではありません。ギュウギュウに詰め込まれた鶏舎の中で、病気にならない様にワクチンまみれになりながら、餌を必要以上に大量に与えられて不健康に太らされて育った鶏は、可哀そうではないでしょうか。そのような鶏を食べることは私たちにとっても不健康なことではないでしょうか。

国内の農産物、また輸入した農産物には、農薬がどれくらい使われているのでしょうか。育てた土壌は、何かに汚染されていないでしょうか。加工品には、本来食品でないもの、入れる必要のないもの、危険なもの、味覚をおかしくするものが添加されていないでしょうか。考えるべきことは沢山あります。

神経質になる必要はありませんし、何にでも許容量があります。しかし、何も考えずに何でも大丈夫と思って、ただ一見美味しいと思うもの、安くてお得だと思うものを何となく選んでしまっていないでしょうか。そもそも美味しいと感じているその味は、何の味なのでしょうか。食材の甘みでしょうか、それともサトウキビの砂糖の甘みでしょうか。もしかすると、人工甘味料の作られた甘み・うま味ではないでしょうか。

人間の体は食物で出来ています。人間の心と体、脳のパフォーマンスには、摂取した食物の質がとても大きく作用します。具体的な数字は調べればいくらでも出てきますので、ここでは詳しく述べることはしませんが、もっともっと自分の体に入れる食べ物を真剣に考える人が増えるといいなと願って止みません。

ここまでお読みになって、レベルが高く、日常生活に取り入れるのが難しい話だと思われた方がいるかもしれませんが、安心できる食卓を実現するのは、そんなに難しいことではありません。実はとてもシンプルです。

地場で採れたもの、つまり近くの知っている土地で育ったものや、生産者の顔と生産方法が分かるもの、加工されていない野菜や果物、穀物等の添加物の無いものの中からよい食材を選び、自分で調理し、よく選んだ少ない調味料でシンプルに味付けすれば、見えない・分からない危険は減り、鮮度良く余計な添加物の無い自然のうま味・恵みをそのままに近い形で生かして戴くことができると思うのです。

子どもに与えるものでも大人のものでもそうですが、間食のおやつも、添加物いっぱいの加工品代表の『お菓子』ではなく、食物を中心にした添加物の無い又は少ないできれば簡単な手作り『おやつ』を中心にすることで、食物の本来の味を味わい、味覚や嗜好を異常にすることなく育て、本当の美味しいを感じる健康で幸せな生活を生涯送ることに繋がると思います。

現在、日本の加工品やそれを代表するお菓子類には、物凄い量の添加物が入っています。その代表としていくつかありますが、人工甘味料は何にでも、不適切な量を入れられています。精白された砂糖でも健康に良くないのはご存知のことだと思いますが、ほとんどの加工品に添加されている大量の人工甘味料は、もはや植物由来の食物である砂糖ですらもありません。

私は、自分の食生活を考える時、砂糖の弊害をいつも思います。依存性が強く、摂り過ぎが万病の元となる砂糖がコンビニの塩おにぎりにまで入っていて、無意識に大量に摂取し続けることで、気が付かないうちに、砂糖依存症になっている現実だけでも恐ろしいことです。しかし、それ以上に恐ろしいことは、食品添加物の中でも自然由来の食物でない人工甘味料の味、人間の味覚で美味しいと感じる様に計算しつくされて作られている人工物の味を美味しいと感じて生きている事実、また、味覚を育てる幼いころから人工甘味料やその他の人工添加物の味を美味しいと感じ、子どもがそういうものを好んで食して成長していくことです。人間が自然界で生きていく為に、生まれながらにして持った素晴らしい能力を自ら破壊していっているという現実に、とても辛い気持ちになるのです。

旬の野菜等の食材を、それ自体のうま味を生かした調理方法で本当に美味しく戴くその時、私たち人間の体も心も喜びを感じる様に本来はできています。そうやって本来あるべき姿で、自然のご馳走を戴くことの贅沢さ、少しでも多くの人に気づき立ち返ってほしいなと願って止みません。

家事や子育てのメインが働く女性であることが大半の日本社会において、毎日、献立を考え、調理サイトを調べて、昨日とは違う何か1品か2品の主菜や副菜を用意することは、とても大変なことです。しかし、食材の本来の良さをシンプルに引き出す調理をすることは、目新しい献立を考えるプレッシャーも、豪華に仕上げる為の手の込んだ手間も必要が無く、とても楽ちんな方法です。

また、家族の注目も、今日の献立の如何や調理の腕に向くのでは無く、今日の食材に向き、一緒に今日の食材や旬を楽しむことに繋がり、とても楽しいものです。総合的に、調理担当の女性、母親、家族の負担が減る方法だと感じます。

具体例で言えば、庭で採れたなすがある場合、「なす、パスタ、美味しい」と検索して、美味しそうでお洒落なパスタを選び出して作ろうとしなくても、シンプルに揚げて美味しいつゆや出汁に付けて揚げびたしにするとか、みそ汁に入れる等、簡単に思い付いた調理をする中で、その食材を生かすように考えるということです。

また、簡単に野菜やきのこ、芋等の食材を美味しく甘みを引き出そうとするのであれば、他の家事や調理をしている間に、鍋に水と簡単な蒸器を入れて食材を蒸してみて下さい。カレーの具でも、みそ汁の具でも、適当な分数タイマーを掛けて蒸しておけば、火の番の手間は掛からないですし、後からみそ汁やカレー等に入れて、なじませる為に少しだけ一緒に火にかければ、焼いたり煮たりした野菜と比べ物にならないくらい、もっちり甘い美味しい具になります。サツマイモやカボチャ等なら、それだけでとても柔らかくて甘いご馳走になります。スピード重視で、電子レンジやフライパンで焼くことが主流となり、コトコト煮る、ましてや蒸すという調理がされることが減っているので、ゆっくりと熱を加えることや、水分を逃さないようにすることだけで、こんなに美味しさが違うのかとびっくりすることと思います。

皆さんが、普段口にするものを「これでいいのか、どれがいいのか」を可能な範囲内で考えて選び、「それを生かす」ことを考えて調理をして、それを家族みんなで楽しめば、心も体も健康に長く生きていけることに繋がると思うのです。是非、冷蔵庫や保存庫の中、畑の中を覗いてみて、蒸したら美味しそうなものを探して蒸してみるということも、楽しんでみて下さい。
こんにちは!
 私は常々、世界中の人々が、健康な心と体を整えて、幸せに暮らせる社会になればいいなと思っています。一人一人にできることは小さいですが、自分にできる小さな行動は、いつもしていたいなと思っています。
 さて、イカリファームは、農業を営む会社ですが、農業や自然、食事、健康、幸せってどのような関係にあるのでしょうか。
私は、「健全な自然環境」→「農業=健康な動植物の育成・生産」→「販売=健康な動植物を食材として健康な状態のまま届ける」→「健全な食事」→「一人一人の心身の健康・幸せ」→「より良い社会の創造」と繋がって行くイメージを持っています。
農地の集約により、個人農家から大きな農業経営体に生産が集約されてきた今、生産するだけでなく、農産物を販売し、皆さま一人一人に健全な食材・食事を提供することまでを、一つの農業経営体が担うことが、時代の大きな流れになってきています。
 そんな中、健全な自然環境の土台の上に成り立つ健康な動植物の育成・生産・販売という役割を持つ農業に携わる訳ですから、自然環境を破壊しないことは勿論、健全な状態を守り、出来る事ならば環境を良い方向に向かう様に出来る限りのことをするということが求められていると考えています。そうして環境のことも考えながら健康な植物である農作物を育てること、そしてそれをそのままの状態で届けることに、私たちは、本業として真剣に取り組みます。
 科学技術が進歩し、情報化の進んだスピーディーで合理化された社会においては、この「まっとうな農産物の生産」や、「まっとうな食材の販売や食の提供」の実現は、思いの外、障壁が多いというのが事実です。皆さんの食べている植物としての農作物は健康なものなのか、畜産業界で育てられた肉や乳製品の元となる動物は健康なものなのか、真剣に追求して考えていくと必ずしもそうでない部分が多く見えてくることと思います。
 具体的に、何が障壁なのか、ここでは深堀はしませんが、このコラムでも断片的には、様々な形で話題に上ってくると思います。
 一人一人の心身の幸せに直結する健康には、健全な食事、運動、睡眠が必要ですが、その健全な食事をする為に必要なまっとうな食材、つまり健康な動植物が生産現場で作られ、流通と販売によりその健康な状態を保ったまま届けられるということが、皆さん一人一人の健康と幸せにとって大前提として重要なことだということを、社会の一員である一人一人が認識することがとてもとても重要な事だと感じます。
 イカリファームでは、「まっとうに作る」、「まっとうに届ける」という当たり前を、当たり前に一番大切なこととしています。
農作物を育てる「生産」を行う際は、自然の有機物である牛の堆肥や琵琶湖の水を使った土づくり・作物育成をすることで、環境にも人にも優しい農法を行い、温等消毒を行う等することで、余計な質・量の農薬を使わずに、最小限の農薬使用に抑える工夫をしています。
自然の栄養豊富な土からできた作物は、当然のことながら、自然と美味しく育つもので、そこに余計なものを加えない、余計なことをしないということを大切にしています。
 また、お客様にお届けする「販売」を行う際は、自然の中で自然な形で育った美味しい農産物を、そのままの形でお届けする為に、保管や販売、運送の過程で、余計なものが加わったり、余計なことが行われたりしないよう細心の注意を払っています。
例えば、高温や湿気や日光で質が悪くなることが無いように保冷庫で適切に保管する、精米したてを販売する等のようなことは当然ですし、加工品や外食産業、お米屋さんのように様々なお米をブレンドしたり、化学調味料を添加して、一つ一つの食品情報や食味が不明確になるようなことや、ごまかされるようなことは行いません。例えば、一袋一袋のお米が誰にどこでどのように作られたどのような品質のものなのか分かる形でお届けするという普通のこと、当然のことをまっとうしたいという思いで「生産」「販売」を通して一貫して行っているのです。
 このコラムを読んで下さった皆様や、イカリファームの農産物をいつも食べて下さっている皆様が、日々自分の食べる食べ物について、どのようなものをどのように食べたいかということをそれぞれの意思を持って選択し、本当の意味で心身共に健康・幸せな毎日を送って下さることをいつも願っています。
 堅苦しい話になりましたが、食べることに限らず、五感を通して自然のパワーを存分にもらうことは、他には代えがたいパワーで、私たちをとても元気にしてくれるものです。
イカリファームのある琵琶湖のほとりの自然の景色も、いつも私たちを元気にしてくれています。おかげで皆、心身ともにびっくりする程、健康です。
遠方の方々も含め、まだお会いしたことの無い皆様が、近い将来にお店と農場に遊びに来ていただけることを楽しみに、いつも変わらず、日々の農業に勤しんでいたいなと思います。